歴史館の「着物の世界」展示コーナーでは、「夜着(よぎ)」に注目される方が結構いらっしゃいます。夜着は着物のかたちをした大きな掛け布団のこと。中には綿がたっぷりと入っていて、とても暖かいそうですが、実際にはどのくらい使われていたのでしょう。 明治20年頃の田舎館村の生活ぶりを記録した佐藤末吉編「昔の農村」(昭和15年)によると、当時、夜着は大抵の家庭で大人一人に一枚の用意があるくらいで、裕福な家でなければお客様の分は用意がなく、また敷布団はお客様か病人でなければ使わなかったそうです。裕福な家では畳を敷いて敷布団を、そうでない家では乾燥した藁を厚く敷き、その上に筵を敷き、さらにその上に茣蓙を敷いて寝たといいます。貧しい家では、夜着といっても襤褸(ぼろ)夜着で、それすら持たない人もいたといいます。